「30代 未経験 エンジニア 転職 無理」と検索してこの記事に辿り着いた方も多いのではないかと思います。
結論から先に書くと、30代未経験からのエンジニア転職は「厳しいけど不可能ではない」というのが正直なところです。
ただ条件があって、何も準備せずに挑むと相当に難しいというのが現実です。
私自身、32歳のときにエンジニアとは無関係な職種からWebエンジニアに転職しました。当時は妻と娘がいて、地方暮らし。決して有利な条件ではありませんでしたが、半年スクールに通って準備した結果、Web系のベンチャー企業から内定をもらえました。今はSIerに転籍して、エンジニア実務3年目を迎えています。
この記事では、実際に30代未経験で転職した立場から、「無理と言われる理由」「成功する条件」「自分が実際にやったこと」を等身大でまとめてみました。同じように家族がいて、時間に制約のある中で挑戦しようとしている方の参考になれば嬉しいです。
「30代未経験のエンジニア転職は無理」と言われる理由
「30代未経験のエンジニア転職は無理」と検索すると、それなりに厳しい意見が出てきます。 理由はいくつかあって、整理するとこんな感じです。
- 採用する企業からすると、20代の方が伸び代があると判断されやすい
- キャッチアップしないといけない知識量が多くて時間がかかる
- 家族や生活がある分、20代より学習時間を取りにくい
- 1社目は年収が一時的に下がる可能性が高く、生活に影響する
特に1つ目はどうしようもない部分で、企業からすれば未経験を採用するなら若い方が長く育てられるので合理的に若手を選びがちです。30代になるとそれだけで書類段階で不利になることはあると思います。
ただ、これは「絶対に無理」を意味するわけではなくて、若さで勝てないなら他の部分で勝負することになる、というだけの話です。私自身も書類で落ちる経験は何度かしました。それでもポートフォリオや面接で「本気度」を伝えられれば、ちゃんと拾ってくれる会社はありました。
「無理」と言われる背景を理解した上で、自分のどこで戦うかを考えるのが大事だと思っています。
実際のところ30代未経験の転職市場は厳しいのか
「30代未経験は無理」と言われる一方で、ここ数年エンジニア不足が叫ばれているのも事実です。実際、転職活動を始めてみると、「未経験歓迎」の求人自体は思っていたよりたくさんあります。
ただし、ここで一つ大きな注意点があります。 「未経験歓迎」と書かれている求人の中には、いわゆるSES案件が多く含まれていて、中には実態がエンジニア業務とは程遠いケースもあるという点です。
よく聞く話で気をつけてほしいのが、「未経験エンジニア募集」で入社したのに、実際の業務は家電量販店での販売員だった、というような事例です。エンジニア未経験者を集めて客先に派遣するのが目的の会社で、契約上はIT人材として送り込まれているけれど、実態は全く別の業務をやらされる、ということが起こり得ます。
求人数だけ見れば30代未経験の門戸は広がっていますが、その中身を見極めずに飛び込むと、「エンジニア転職した気になっただけで、エンジニアの経験は積めなかった」という最悪の結果にもなりかねません。
つまり、市場は思ったほど閉ざされていないけれど、求人の中身を見抜く目を持つことが前提になります。
30代未経験でエンジニア転職を成功させる条件
それでも30代未経験から実際にエンジニアになっている人はいます。私の周りでも多くが30代未経験からエンジニアになっています。 共通しているのは、いくつかの条件をきちんと押さえているという点でした。
スクールに通って、ポートフォリオを作るまでやる
まず大前提として、何の準備もないまま転職活動を始めるのはおすすめしません。 30代未経験で書類を通すには、ポートフォリオで「ある程度作れます」を示せる状態まで持っていく必要があります。
独学でも不可能ではないですが、私はスクールをおすすめしています。理由は次の3つです。
- モチベーションが続きやすい(独学だと数ヶ月で止まってしまう人を何人も見ました)
- 同じ目的を持った仲間と切磋琢磨できる
- チーム開発の経験が積める
特にチーム開発の経験は転職活動で結構評価されました。独学の人だとGitの使い方が自己流で、ブランチを切らずに直接mainに繋げてコミットしている、みたいな話もよく聞きます。実際の現場では複数人で開発するので、ここに慣れているかどうかは結構大きな差になります。
スクールの中だと、個人的におすすめできるのが「RUNTEQ(ランテック)」です。Web系の開発会社が運営していて、現場で必要な知識を逆算してカリキュラムが組まれているのと、「1000時間学習」をはっきり打ち出している点が好印象です。「これくらいやらないと戦力にならない」と正直に言ってくれるスクールは、信頼できると思います。
SES色の強い「未経験歓迎」求人を避ける
先ほども書いた通り、未経験歓迎の求人にはハズレもあるので、応募前に企業の事業内容と求人内容をしっかり確認した方が良いです。
私が応募時にチェックしていたのはこのあたりです。
- 自社サービスを持っているか、受託開発をしているか
- どんな技術スタックを使っているのか
- エンジニアの平均年齢や採用人数
- 口コミサイトでの評判
「未経験から月収40万円!」みたいな景気のいいキャッチコピーには、基本的に近づかない方が無難だと思います。
家族の理解と協力を得る
家族がいる場合、ここを飛ばすと後で必ずしんどくなります。 学習中は自分の時間がほぼ取れなくなるので、家事や育児の負担はどうしても家族に偏ります。
私の場合は、転職を考え始めた段階で妻にきちんと説明しました。
- エンジニアになればフルリモートが可能になり、子育ての時間が作りやすくなる
- スキルと経験で年収を上げていける職種であること
- 学習期間中は土日もそれなりに勉強に充てる必要があること
幸い反対はされませんでしたが、これは事前に「なぜやりたいのか」「どんな未来になりそうか」を共有していたからだと思います。
1社目はある程度妥協する
最後にもう一つ、これは大事だと思っているので書いておきます。
1社目は妥協が必要です。年収・勤務地・規模・知名度、すべてを満たす会社に未経験で受かるのはまず無理です。ここで欲を出すと内定が出ずに転職活動が長引いてしまいます。
私自身、1社目は小規模なベンチャーで、年収も前職から下がりました。それでもそこでエンジニアとしての基礎を固めたから、2社目で年収を回収できました。「2社目以降で取り返す」と割り切れるかが、結構大きな分かれ目だと思っています。
体験談: 32歳でエンジニアになるまで
実際に私がエンジニアになるまでの流れを、もう少し具体的に書いておきます。
BPO時代に感じた違和感
エンジニアになる前は、BPO企業で分析系の仕事をしていました。 エンジニアとは関係のない業務でしたが、昔からプログラミング自体は好きで、休日に簡単なアプリやWebサイトを作ったりしていました。
業務でも「これプログラムを書けばもっと効率化できるのに」と感じる場面が多くて、だんだん「趣味じゃなくて本業にしたい」という気持ちが強くなっていきました。当時はもう30歳を過ぎていたので、動くなら早い方がいいという焦りもありました。
30歳過ぎでスクールに通った半年間
仕事を続けながら、半年ほどプログラミングスクールに通いました。学習量はざっくり週30時間。内訳はこんな感じです。
- 平日: 2時間 × 5日 = 10時間
- 土日: 10時間 × 2日 = 20時間
平日は仕事から帰ってから寝るまでの時間をほぼ全部勉強に当てるイメージです。土日は午前から夜まで勉強で潰れるので、家族との時間はかなり犠牲にしました。
正直、途中でしんどくて辞めたくなった時期もあります。仕事も忙しい時期と重なって、「今日は無理」となる日も普通にありました。それでも続けられたのは、スクールに同じように仕事と両立して頑張っている仲間がいたからです。みんなも忙しい中でやっているのを見ると、「自分だけ離脱するわけにはいかない」と踏ん張れました。
1社目の転職活動
スクールを終えてから、転職活動に入りました。
使ったルートは、スクールの紹介と、自分でWantedlyを使ったルートの2つです。応募数は15社くらいで、最終的に内定が3社でした。書類で落ちることは普通にあります。30代未経験だとここは仕方ないので、淡々と次を出していくしかないです。
最終的にはWeb系の小規模な受託開発の会社に決めました。年収は前職から下がりましたが、最初から「1社目は経験を積む場所」と決めていたので、そこは納得していました。
1社目で1年半 → 2社目への転職
1社目では主にPHPで開発をしていました。実務で扱うコードはスクールで書いていたものとは別物で、最初の数ヶ月は学ぶことだらけでした。レビューで指摘される量も多かったですし、自分では読めないコードベースに向き合う時間もそれなりにありました。
1年半ほど在籍して、エンジニアとしての基礎はここで固めた感覚があります。
ただ、ベンチャーということもあって、途中で会社の方針が大きく変わりました。事業の業態を一気に変える方針が出てきて、そのまま残るとエンジニア以外の業務がメインになりそうな雲行きになってきたんです。
私としては「ここでエンジニアの道から外れたら、もう戻ってこられないかもしれない」という危機感があり、転職を決めました。
2社目: 数百人規模のSIerへ
2社目は数百人規模のSIerに、エンジニアとして転職しました。1社目で積んだ経験を評価してもらえて、年収はアップしました。
今はPHPの開発に加えて、自分の希望でAWSを使ったインフラ領域にも携わっています。地方暮らしのフルリモートで、子供の送り迎えや犬の散歩を挟みながら働けているので、転職前に思い描いていた「家族との時間も取れる働き方」にだいぶ近づいた感覚があります。
それでも不安な人へのアドバイス
ここまで読んでもまだ「自分には無理かも」と思っている方もいると思います。
私が転職活動中によく自分に言い聞かせていたのは、「未経験から30代でエンジニアになっている人は、ちゃんといる」ということでした。スクールにも同年代の人は普通にいましたし、現職にも30代後半で未経験から入ってきた方がいます。
無理かどうかを自分の中だけで悩んでもなかなか答えは出ないので、まずは小さく動いてみるのが結局一番だと思います。
- スクールの無料カウンセリングを受けてみる
- ProgateやUdemyなどで1ヶ月だけ独学してみる
このくらいなら家族にも大きな負担はかからないはずです。動いた結果として「やっぱり違うな」と思ったらやめればいいだけで、判断材料が増える分には損はありません。
よくある質問
30代後半でも間に合いますか?
30代後半になるとさらに厳しくなるのは事実です。ただ、ポートフォリオと熱意でカバーしている方は実際にいます。「年齢で諦めるかどうか」より「準備にどれだけ時間を投じられるか」が分かれ目になる印象です。
子持ち・家族持ちでも転職できますか?
できます。私自身が妻と娘がいる状態で転職しました。むしろ家族がいる人の方が「絶対に成功させる」という強制力が働く分、学習が続きやすいというのは正直あると思います。家族の理解と協力を最初に取り付けるのが何より大事です。
年収は下がりますか?
1社目は下がる可能性が高いです。私も下がりました。ただ、2社目以降で取り返せる職種なので、長期目線で見れば一時的な下落はそこまで気にしすぎなくていいと思います。
学習期間はどのくらい必要ですか?
人によりますが、最低でも500時間、しっかりやるなら1000時間が一つの目安だと思います。私は週30時間×半年で約700〜800時間でした。
スクールと独学はどちらが良いですか?
時間と気合がある人は独学でも行けます。ただ、家族がいて時間が限られる人ほどスクールの方が効率的だと思っています。仲間ができてモチベーションが続きやすい点と、チーム開発に慣れられる点が、転職活動でも効いてきます。
まとめ
30代未経験のエンジニア転職は、確かに簡単ではありません。ただ、必要な準備をして、応募する求人を見極めて、家族の協力を得られれば、十分に実現可能な道だと思っています。
私自身、32歳で家族持ち・地方在住という条件から始めて、今はフルリモートで子育てとエンジニア仕事を両立できています。同じように「無理かも」と悩んでいる方の背中を、ほんの少しでも押せたら嬉しいです。
まずは情報収集と小さな行動から、無理のない範囲で始めてみてください。
